中国の青磁のうつわをモチーフに制作しました。
美しい花弁が乾漆により柔らかい風合いに仕上がっています。

 
羽反輪花鉢(黒) 
φ17cm(高さ7cm)

※現在、ご注文にて承っております。1年程、お待ち頂いております。(2024/04)
 

 
【乾漆のうつわ】
麻布を漆で貼り重ねて形を作るのが乾漆技法です。
かつて仏像を作るときに用いられていた伝統的な技法です。
動きのある自由な形を創造でき、強度が高いので、
薄くて軽い素地を作りだすことができるのがこの技法の魅力です。
量産が難しいため、美術品の制作に用いられますが、
器としては稀少です。
現代の食生活、焼きものやガラスにも調和する、
自由で軽やかな漆器を追求し、さらに新たな可能性を探求し続けています。

 


漆と出会ってから、いつの間にか長い月日が経ちました。
大学で初めて漆に触れ、その後輪島へ。
飽きることなく、日々器のことを考え、手を動かし、
時が過ぎてゆく。
好きなんだなあと改めて感じます。
乾漆という技法で数多くのうつわを作っている人があまりいないので、
壁にぶつかったり、それを克服したり、一人で試行錯誤している。
それがまた楽しい。
そうして仕上がったうつわを喜んで使ってくれる人がいることが、
この上なく嬉しいのです。
そして海を眺め、鳥や虫の声を聴き、風を感じ、
この土地のものを食し、酒を飲む。
自分にとって最高の環境で、好きな仕事を続けられている。
これからもこの幸せな生活が続けられるよう、
日々精進していこうと思います。

 

kamatakatsuji